2023.11.20
ダイレクトメール発送で重要な効果測定、押さえておきたい指標を解説

 

ダイレクトメール(DM)は発送後がとても大事です。どんな反応や効果があったかを検証することで、次のDMを改善し、効果を高めることができます。そのためには発送後の効果測定の数値を理解する必要があります。そこで今回は、DMで重要な効果測定の指標について解説し、効果測定の方法も紹介します。

※DM発送代行の料金を知りたい方は、DM料金表・費用見積りをご利用ください。

DM発送前に算出しておくべき数値とは

DMの効果を検証するために、DM発送前に算出しておきたい数値を紹介します。

●効果測定の基本となる数字~DM総コスト

DM発送のためにかかった全費用のこと。DMの効果測定で必要になる数値です。

DM総コスト=制作費 + 印刷費 + 発送作業費 + 配送費

各費用の詳細は記事「DM発送にかかる料金・費用のまとめ」をご覧ください。

印刷・発送を依頼したときの費用をすぐに知りたい場合は、DM発送料金オンライン見積り機能をご利用ください。  

●DM費用の回収に必要な件数は?~損益分岐点

損益分岐点とは、売上と費用が等しくなるポイント。DM総コストを回収するのに必要な受注(成約)件数を算出し、この数字より低いか高いかで損益がわかります。

損益分岐点=DM総コスト÷粗利単価

例)
①DM総コスト200万円で、粗利単価2,000円の商品販売の場合、1,000件以上の受注で利益が出ます。
損益分岐点:1,000件=200万円÷2,000円

②DM総コスト200万円で、粗利単価8,000円の商品販売の場合、250件以上の受注で利益が出ます。
損益分岐点:250件=200万円÷8,000円

単価が低い場合、多くの件数の獲得が必要になることが数字上でもわかります。

損益分岐点

DM送付後にチェックする指標

DM送付後の効果を測定する指標を紹介します。発送前に目標数値を設定するときにも使われます。

●発送数に対するレスポンスの割合~反応率

反応率とは、送付したDMのうち、資料請求や商品購入、来店、アンケート回答、問い合わせなど反応があった割合で、レスポンス率とも呼ばれます

反応率(%)=反応の件数÷DM発送数×100

例)DMを10,000通発送して1,000件の反応があった場合
  反応率:10%=1,000件÷10,000通×100

ちなみに一般社団法人日本ダイレクトメール協会「DMメディア実態調査2022」によると、自分宛てのDMの開封率は75.4%、そのうち行動を起こした割合(行動喚起率)は19.3%という結果が出ています。
※参考:一般社団法人日本ダイレクトメール協会「DMメディア実態調査2022」(pdf)

●発送数に対するDMの成果の割合~コンバージョン率(CVR:Conversion Rate)

DMの目的は注文(成約)だけではありません。資料請求、アンケート回答、来店などを目的とすることもあり、この目的である行動(成果)にどれだけつながったかを見る数値です

コンバージョン率(%)=コンバージョン件数÷DM発送数×100

例)資料請求を目的とするDMを10,000通発送して、800件の資料請求があった場合
  コンバージョン率:8%=800件÷10,000通×100

●レスポンス1件にかかった費用~レスポンス獲得単価(CPR:Cost Per Response)

資料請求、注文、問い合わせなどのレスポンス1件を獲得するためにかかったコストです。

レスポンス獲得単価=DM総コスト÷レスポンス件数

例)DM総コストが200万円で1,000件の反応があった場合
  レスポンス獲得単価:2,000円=200万円÷1,000件

●注文1件にかかった費用~顧客獲得単価(CPO:Cost Per Order)

注文(成約)1件を獲得するためにかかったコストです。

顧客獲得単価=DM総コスト÷注文(成約)件数

例)DM総コストが200万円で400件の注文があった場合
  顧客獲得単価:5,000円=200万円÷400件

●DMのコスパを知る指標~広告費用対効果(ROAS:Return On Advertising Spend)

広告費に対してどれだけ売上がとれたかを示す指標です。DMのコストパフォーマンスを知ることができ、この数字が高いほどコスパがいいと言えます。

広告費用対効果ROAS(%)=売上÷DM総コスト×100

例)DM総コストが200万円、売上320万円(粗利単価8,000円×受注400件)の場合
 広告費用対効果:160%=320万円÷200万円×100

DMの効果測定で重要なこと

DM発送の効果を知るうえで大切な指標を紹介しましたが、これらの数字を見て、良かった、悪かったと一喜一憂するのは意味がありません。効果測定で出た数値の理由を考えることが重要です。
DMの結果に影響を与えるのは、ターゲット(送る対象)、オファー(特典)、タイミング(届く時期)、クリエイティブ(文章・デザイン)と言われます。これらを検証して、問題点を洗い出し、次のDMの改善に生かすことが、DM効果を高めるために必要です。

マーケティングの「1対5の法則」によると、新規顧客を獲得し商品・サービスの受注につなげるまでのコストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかるとされます。例えば、DMの目的が新規顧客の獲得という場合、コストは高くなります。受注1件にかかった費用や費用対効果を計算して、「利益が出ていない。コスパが悪い。DM失敗」と結論づけるのは早計です。新規顧客がリピーターとなり、複数回の注文があれば、長期的な利益につながります。そのためにも、1回、2回……とDMの改善を重ねていくことが肝要になります。

DMの効果測定の方法

DMの効果測定の主な方法を紹介します。

● 特典を利用する
プレゼント応募、来店時にキャッシュバックなど、特典を付けて、利用時に顧客情報を収集します。

● ハガキやWebで質問する
注文ハガキやWebの申し込みフォームなどで、知りたい情報に関する質問項目を設けます。

● DMに顧客ごとの番号を付ける
お客様一人一人に合わせた情報を組み込める「バリアブル印刷」を利用。プレゼントコードなど個別の番号を付けます。
バリアブル印刷については記事「バリアブル印刷(可変データ印刷)とは?DMで使うメリットや活用ポイントを解説します」をご覧ください。

● QRコードを活用する
DMにQRコードを付けることで、WebサイトやSNSなどに誘導。アクセスにより反応数やユーザーの傾向などを取得できます。
測定方法など詳細は記事「DMで効果測定するには?QRコードを活用しよう」をご覧ください。
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

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