2025.03.6
DM(ダイレクトメール)の印刷で「写真が粗い」「色がくすむ」の原因と対策
DMの印刷が上がってきたとき、「写真が粗くぼけている」「モニター画面より、色がくすんでいる」ということがあります。実は、それほど珍しいことではなく、印刷の特性によって起こるため、デザインするときに注意が必要です。
そこで今回は、「写真が粗い」「色がくすむ」のはなぜか原因を説明し、対策についてお伝えします。DMのデザインを内製される方はもちろん、デザインを外注される方も、知っておくと役立つ内容ですのでぜひお読みください。
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「写真が粗くぼやけて印刷された」ケースの原因と対策
下の画像では、左は鮮明ですが、右はぼやけています。画像データによっては、右のように印刷されてしまうことがあります。
●画像は小さな点の集まり
印刷物はドット、モニター画面などはピクセルという、小さな点が集まって表現されています。ひとつの点は「画素」、その総数は「画素数」と呼ばれます。
●写真が粗くぼやけた原因は、解像度の不足
印刷物に写真を使うとき、画像解像度に注意する必要があります。解像度とは、画像の中に並ぶ画素の密度のことで、単位はdpi(dot per inch、1インチ当たりのドット数)です。画素数が小さいと、解像度も小さくなり、画像が不鮮明になります。
フルカラーの印刷物の画像解像度の目安は300~350dpiです。印刷したときに写真が粗くぼやけるのは、画像解像度が足りないためです。
●注意!こんな画像は印刷物に使えません
- 自社サイトからダウンロードした画像
Webサイトの画像は解像度が小さいため、印刷には不向きです。「自社サイトの画像からとって印刷物に使おう」ということはできません。元画像データを使用しましょう。 - WordやPowerPointの画像、LINE経由の画像
元画像が350dpiでも、WordやPowerPointなどに挿入すると、自動的に圧縮されてしまいます。また、LINEも自動的に画像が圧縮されるため、LINEで送られてきた画像も使わないようにしましょう。 - 画像の一部を切り取った画像
画像の一部分を切り取って拡大した画像は、解像度が足りなくなる可能性があります。
●スマホで撮った写真は、印刷物に使える?
スマホのカメラ機能によりますが、例えば、3000×4000px(ピクセル)、1200万画素の場合、A4サイズまで印刷可能です。
<詳しく知りたい方はこちらをどうぞ>
印刷可能なサイズの計算は次のとおりです。
印刷サイズ=画像のピクセル数÷解像度
長辺:4000px÷350dpi=約11.42インチ
短辺:3000px÷350dpi=約8.57インチ
↓
「1インチ=25.4mm」なので
長辺:11.42×25.4=約290mm
短辺:8.57×25.4= 約218mm
A4サイズ(297×210mm)とほぼ等しいサイズになり、1200万画素のスマホの画像データはA4サイズまで印刷可能となります。
「印刷物の画像の色がくすんでいる」ケースの原因と対策
WordやPowerPointなどで作ったデータを印刷すると、モニター画面よりも、色がくすむことはよくあります。これは、モニター画面と印刷物とでは、色の種類が根本的に異なるためです。
●画面はRGB、印刷はCMYK
パソコンやスマホなどの画面の色は、発光によって見える色。光の三原色(赤Red・緑Green・青Blue)で作られ、頭文字をとってRGBと呼ばれます。重ねるほど明るくなり、3色あると白色になります。
印刷のインクは、色の三原色(シアンCyan・マゼンタMagenta・イエローYellow)で作られ、混ぜ合わせるほど暗くなり、最終的に黒に近い色(キープレートKey Plate) になります。印刷では、CMYの3色にK(黒)を加えて、CMYKで色を表現します。
●色がくすむ原因と対処法
表現できる色の幅はRGBが広く、CMYK(印刷)では表現できない色もあります。WordやPowerPointなどRGBで作ったデータをCMYKに変換すると、近い色に置き換えられますが、印刷すると、モニター画面で見たような鮮やかな色にはならず、くすんでしまいます。印刷物作成ソフト(PhotoshopやIllustratorなど)で、あらかじめCMYKでデータを作ると、色の違いが縮まります。色にこだわるときは、プロのデザイナーに依頼することをおすすめします。
●デザイナーの出力紙とDM印刷物は色味が違う
印刷機によっても、印刷物の色味は変わります。自社のプリンターで出力したものや、デザイナーが出力したものは、印刷会社で印刷したDMとは色味が違います。印刷前にデザイナーが提出した出力紙で、社内に確認をとるときは、DM印刷物と色味が異なることを伝えて、レイアウトや内容面をチェックしてもらいましょう。
●色をしっかり確認したいときは色校正を
用紙によっても、色の出方が異なります。コート紙は、コーティング加工されて凹凸が少ないため、発色よく仕上がります。上質紙はコーティング加工されておらず、色が沈む特性があります。
印刷物の色は様々な要素に影響を受けるため、色をしっかりチェックしたいときは、色校正をするといいでしょう。簡単に確認したいときは簡易色校正を。専用紙に出力したもので校正する方法で、実際に印刷する用紙ではないため、発色が違いますが、時間と費用を抑えられます。もっとシビアに色を確認したいときは、実際の用紙に印刷してチェックする、本紙色校正を。簡易色校正より時間がかかり、費用もアップしますが、正確性も上がります。
DM印刷物の画像と色、これだけは覚えておこう
DM印刷物で「写真が粗い」「色がくすむ」の原因と対策について、画像解像度や三原色に触れながら説明しました。すべて把握するのは難しいかもしれませんが、次のことだけでも覚えておきましょう。
<印刷物に使う画像について>
- 画像解像度は300~350dpi
- WebサイトやWord、PowerPointなどの写真は使えない
- スマホで撮った画像は使える(カメラの画素数を要確認)
<印刷物の色について>
- モニター画面の色とは根本的に違う
- WordやPowerPointなどで作ったデータは、色がくすみやすい
- 色をチェックしたいときは色校正を行う
DMがお客様に届くまでには、デザイン、印刷、発送と様々な工程を経る必要があります。注意するポイントも多く、DMのプロである代行会社にサポートしてもらうと安心です。特に、初めてDM発送される方や、本業に集中したい方は、デザインから印刷、発送まで一括して依頼できるDM発送代行会社がおすすめ。やりとりが一本化できるため、DM作業やスケジュール管理の負担が軽減できます。
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